2019-4-5月のテーマ :フランス語の文法を初めからひとつひとつ/リスニングのための会話力をつけよう!

4月はなにか新しいことを始めるのにうってつけですね。

今月から「文法を初めからひとつひとつ」シリーズを始めていきます。

フランス語の勉強を始めようと思っている方にも、

中級なのだけれど、実は基礎の文法をちゃんと理解していない、自信がない、使うときに迷ってしまう…という方にも、

上級になったけれど、文法体系にぽっかり空いている穴があった!という方にも、

それぞれのレベルのニーズに合わせて丁寧に解説していきますよ!

おすすめ文法書。「 魔法の仏文法 」は本当によくできた文法書で、初級から中級まで使える。わかりやすく文法事項を説明してくれています。フランス語ではHachetteの Nouvelle grammaire du français.  簡潔ながら、必要な情報を探すことができます。

おすすめ文法書。「魔法の仏文法」は本当によくできた文法書で、初級から中級まで使える。わかりやすく文法事項を説明してくれています。フランス語ではHachetteのNouvelle grammaire du français. 簡潔ながら、必要な情報を探すことができます。

 文法学習というと、「難しくてニガテ」「面倒くさい」「文法なんか知らなくても、会話が上達すれば問題ない」などの声を聞くことが多いですね。かく言う私も、留学した時、

「日本人学生は文法試験の点数はいいけれど、会話で全然話せない」という現地での評判に反発し、「文法は苦手でも、しゃべれる日本人になろう!」と支離滅裂な目標設定をした黒歴史があります….

でも、ぜんぜんしゃべれない。

そして、な…なにを言っているのかわからねー!

そりゃそうです。

だって、会話をするにも、人々が話しているフランス語は文法というルールに則って、構文(SVCOA : 英語とは若干違います)を使っているというのに、それがわからなければ話せるわけがない!です。名詞は文中で、置かれる位置によって主語なのか目的語なのかが決まりますし、冠詞によってその主語が広く一般のものを指しているのか、特定の物を指しているのかを判断したりするので、間違えると話が通じなくなったりします。

(ちなみに、うちの母は主語をすっとばした話し方をよくするので、同じ言語をつかっているのに話がこんがらがることがよくあります。そして「なんでわからないの!」とキレる)

思うように話せず、人が話していることも理解できず、私は語学学校の会話の授業が苦痛で仕方ありませんでした。そして、その苦しみの原因は、自分の初歩の文法の勉強不足(単に動詞の活用形を覚えていなかった)と語彙不足によるということに気づかず、とんちんかんな自己嫌悪に陥り、危うく海外でひきこもりになるところまで追い込まれていました。

そんな時、勇気を出して行った八百屋さんでおじさんと話せたことがきっかけで、次第に話せるようになっていったのです。

八百屋のおじさんは、わたしのほころびだらけの言葉を辛抱強く聞いてくれ、フランス語難しいよね、フランス人だって相当苦労したのに、あなたみたいなアルファベも違う国の人が勉強するなんて大変なことだよ、偉いね、尊敬する。と言ってくれたのです(多分←あまり聞き取りができていなかったので、すべて妄想で、実際は「今日はいい天気だね」ぐらいだったのかもしれませんが)。

それから1年ほど経ち、語学学校の上級クラスで出会ったクラスメイトのおかげで、わたしは文法学習についての考え方を決定的に変えることになります。

ケニア人の彼は、自称「9カ国語話せるマルチリンガル」でした。自国の地域や部族の言語がすでに5〜6種類あり、英語はネイティブ、イタリア語もわかると言っていました(真相は定かではありません)。

「宝物は一度見つけたら、絶対に自分のものにしなくちゃ後悔すると父が言っていたんだ(キラーン)」

というエキゾチックな殺し文句で、クラスの女子全員を片っ端から口説き(そして全員にごめんなさいされる)、振られても平気で授業に現れるという鉄のメンタルを持つ彼でしたが、

仏語学習者がはじめに習う avoir (持つ)の活用形をめちゃくちゃに使い、je と tu の活用をまるっと ai で話したり、nous と vous の活用形があべこべだったり、そもそも J’ai を 「ジュ アイユ」とエリジオンせず、しかも接続法の活用形のように発音して聞き手を混乱させ、

彼自身はそんなことには一向に頓着せず、大いに、おおらかに、発言を続けます。

先生も、時々直したりはするものの、上級ともなれば学習者が自分自身に持つプライドを考慮し、また自国のアクセントも「チャーミング」と捉えて、彼の「アイユ」の指摘はしませんでした(当時そういう方針の先生が多かったのは、FLE(外国語としてのフランス語教授法)を履修して初めて知りました)。

けれど、私を含めたクラスメイトたちは、彼の言葉にだんだんイライラしたり、無視したりするようになりました。上級になっても、初歩の発音・文法ルールを守らないで平気な彼の傲慢さに苛立ちを感じていたのです。

ところで、初心者の方にもよく「日本語みたいに全部原形でいいじゃん、なんで人称によってこんな面倒な活用を覚えなくちゃなんないの?」と文句を言われます。

知らんがな。

と1億回くらい思い、100万回くらいその言葉を飲み込みました(あれ?計算が…)。

会話では、主語と動詞の活用形の両方を手がかりに、誰が何をすると言っているのかを判断します。その2つの手がかりが一致しなければ、聞き手は混乱し、何を言っているのかわからなくなってしまいます。verba volant scripta manent (ウエルバ・ウオラント・スクリプタ・マネント)って有名なラテン語の格言があるじゃないですか。揮発性。主語だけだと聞き逃しやすく、次々と空中に消えてなくなる言葉をとっつかまえて、意味の補完をするために動詞の活用語尾は頼りになるアイテムなんです。

(まあ、昔は人称による語尾活用が今みたいにはっきりしてなくて、田舎の人は je と nous の活用を一緒くたにしていたりしたこともありました。モーパッサンの短編なんかでも、そういう田舎の人が出てきます)

あと一応、日本語にだって活用はあるよね…学校で習ってるよね…

話がそれましたが、

「ちゃんと活用してくれないから、何言ってんのかわかんないし、予測しながら聞いているとすごい疲れる」

というクラスメイトのぼやきに、そうだよね〜と同意しかけた私は、「あっ!」と気づきました。

めちゃくちゃな文法で話したり書いたりすることは、それを聞いたり読んだりする側にとても負担をかけているのです。

意外(?)かもしれませんが、フランス人は、通りすがりの外国人に対してもけっこう根気よくこちらの言葉を理解しようと付き合ってくれる人が多いです。こちらのとっちらかった文や、はちゃめちゃな発音にもめげずに辛抱強く聞いてくれたり、何度も繰り返してくれたりしたのは、私という人間に対する敬意があったからです。

それまでの私は「外国人」という大義名分のもと、相手に対してとんでもなく傲慢だったんでは…!

それ以来、文法学習についての考え方は大きく変わりました。

文法学習は、その言語の持つ文化への敬意と尊重を持つことで、自分の発言を受け取る相手に対しての最低限のマナーだと思っています。

この話をすると、たいてい返ってくるのが

「でも、尊重したい、マナーを守りたいと思っていても、自分の能力がそこまで追いつかないんです」

という意見なんですが、

なにも、最初からパーフェクトに文法も発音もできなければフランス語を使う資格がない、という話はしていないんです。

正しく発音すること、動詞の活用を覚えたり、語順を覚えたりすることだけで、聞き手の負担はだいぶ軽くなります。

恥ずかしいから発音を適当にするとか、私のように活用を覚えるのが面倒だから原形でゴリ押ししようとするとか、そういう姿勢に「respect(敬意)」はないように思われます。

「わかんないんだから、察してよ」という態度は失礼ですよ、今の自分のレベルでは相手に負担をかけていると自覚しながら学びましょう、ということです。だから、できることを自分のペースでひとつずつ増やしていきましょう、相手にスムーズに理解してもらえることを目指して練習しましょう、ということです。

cah3-bk.png

話すことができるようになるには文法が必要ですが、聞けるようになるには話せることが必要になってきます。

誤解をしている人が多いと思うのですが、リスニングができる、とは相手の述べた文を一言一句100%聞き取れるということではありません。相手が述べたことの要旨を逃さず/正しく把握でき、それに対して適切な返答ができるように理解ができる、ということです。

これがディクテになると100%聞き取らなければなりませんが、そのかわりスピードを落として聞かせてくれます。通常の会話スピードでのディクテは、いくらネイティブでも特殊な訓練をしたり特殊な能力がなければ無理です。

リスニングの力を伸ばすには、リスニングの練習をしなければだめだと、かつて私も思っていました。けれど最近では、リスニング力をつけるには、話力が必要不可欠だと考えています。

学生やエコールの生徒さんたちにリスニングをしてもらうと、全然聞き取れなかった人でも、トランスクリプション(書き起こし)を読み、文の構造や語彙を理解した上でもう一度聞いてもらうと、

「びっくり!聞こえます!」

となります。これは至極当たり前のことで、脳は知っている単語や知っている構文で述べられた文でなければキャッチしてくれないからです。しかも、ただその言葉を読んで知っていても、実際に耳で聞いて発音とつづりと意味を一致させなければ、音で聞こえてきても、自分の知っているその言葉だと把握できません。なので、それを満たしてやるためには、自分がその語や表現を使って話すのが一番なのです。

仏検の上級になっても、リスニングの音声スピードはかなりゆっくりです。DELF/DALF TCFは、実際のラジオの番組やニュース、インタビューを使ったりするので鬼スピードで話されていますが、それに比べれば仏検の音声は天国のようにゆっ〜くり丁寧に発音してくれます。それでも、聞こえない人が多い。それは、上記のように文字面で知っているだけで、自分でその言葉を実際に口にしたことが(少)ないので、その言葉をキャッチできないのではないかなと考えています。

文法と同じように、短く優しい文からはじめて、口に出して話して使うことをやってみましょう。その練習の積み重ねがリスニングで生きてきます。アホみたいに優しい文…と思っても、自ら頭の中で作文して、ミスなく口にするのは案外難しいですよ?書く力と話す力は別なのです。

エコールにはたーーーーっくさんの例文ストックがあり、練習用のガジェットも豊富です!ひとつずつ練習して話し、聞けるように、一緒に練習していきましょう!

 

お知らせ:

2019年4月より、火曜日のアトリエは個人レッスンの枠に変更させていただきます。

参加者が増えた場合アトリエを開催したり、ラトラパージュ(補講)として使われる場合もありますが、基本的に個人レッスンの時間帯としてご予約を承ります。

個人レッスンの一般新規受付を再開いたします。

2019年3月より、期間限定で個人レッスンの新規受付をさせていただきます。

昨年6月から、多忙により、私自身がこれ以上の人数の個別フォローが難しくなってしまったため、個人レッスンの新規お申込みをお断りさせていただいておりました。

2019年3月より、在籍枠がひとつ空きますのでお申込みの再開をさせていただきます。

お申込み対象は以下の方のみとさせていただきますのでご了承ください。

少なくとも3ヶ月はレッスンを継続して受けられる方。短期の旅行や急なフランス語圏からの来客への対応のために、臨時で1回だけレッスンを受けたいという方は、誠に申し訳ございませんがお断り申し上げます。ただし、数回レッスンを受けてみて合わなければ入室をキャンセルしていただくことは可能です。

お申し込み ( 応募フォーム )

cah3-bk.png
 

アトリエのスケジュール 

 

土曜日のアトリエ

  • 6, 13, 20, 27

レッスン体験のお申し込み ( 応募フォーム )

※火曜日のアトリエは個人レッスンの時間帯となりました。上記お知らせを御覧ください。

 

個人レッスンのスケジュール

時間:90分マンツーマン ※ご希望の時間をご予約下さい。下記以外の曜日・時間をご希望の場合、ご相談に応じます。詳細はお問い合わせください。

 

月曜日 三条教室

(ーで消されている日は、個人レッスンの申込みありの日です)
  • 1, 8, 15, 22

  • (ーで消されている日は、個人レッスンの申込みありの日です)
  • 2, 9, 16, 23

  • 水曜日 中山教室

    ・水曜日の午後、新潟市で個人レッスンを行うことが可能です(すでにエコールに登録されている方対象です)。ご希望の場合はこちらからお申込みください。

    (ーで消されている日は、個人レッスンの申込みありの日です)
  • 3, 10, 17, 24

  • (ーで消されている日は、個人レッスンの申込みありの日です)
  • 4, 11, 18, 25

  • (ーで消されている日は、個人レッスンの申込みありの日です)
  • 14:30〜19:00 : 12, 26
  •