• 参加するには
  • 教室
  • noteの記事
  • スケジュール
  • blog
  • 教室で使う本
  • About
Menu

e-cor エコール フランス語コミュニケーション教室

新潟県新潟市・三条市のフランス語教室
  • 参加するには
  • 教室
  • noteの記事
  • スケジュール
  • blog
  • 教室で使う本
  • About
        日々是々 フランス語とわたしの冒険

        日々是々 フランス語とわたしの冒険

yuudachi.png

夕立女

September 4, 2012

食事当番だった(外での仕事がない曜日担当)昨日、夕飯の買い出しに行こうという頃、空が怪しくなってきた。その1時間前にもバラバラと大粒の雨が落ちてきて、ふい、と飽きたように止んでしまったばかりで、夫君の母が窓の外を見ながら、「なんだか怪しいよ」と言っていた。 「こういう時、必ず降られるんだよなぁ、わたし。」

いわゆる「雨女」というのとはちょっと違う。降るかもね、降るかもしれないね、と思いながら手ぶらで出て、かなりの確率でびしょぬれになるタイプなのです(危機管理能力がないだけか)。実家の母なんかは真逆で、ざんざか降っている日の雨の小休止の時にちょうど移動できてラッキー、ということが多い。

ここに越してきてまもなく、まだ道もよくわかっていなかった頃、そんな感じの空を見上げながら図書館に徒歩で出かけた。家からひとりで行くのは初めて。教えてもらった通りの道順といっても、この街は寺町で、橋やら一方通行やら細い路地がうねうねしているので、迷うことも考え、用心して雨具を持って出た。家から数十メートルすすんだところで、案の定ポツポツと振り出し、用意していた傘を開く。そのまま、大きな川を渡る橋まで、まっすぐ進めば良いはずだった。

土手まで出た所で、ポツポツは驟雨に変わった。目の前の川がよく見えないくらいの。右を見ると、大分先に橋がかかっている。左を見ると、まるで相似形のように同じ位の距離で橋がかかっていた。異界に迷い込んでしまったかと、一瞬息を飲む。とりあえず、雨宿りできそうな建物のある左に走り、煙っている目前の風景に、しばらくことばを吸い取られて立っていた。

少しずつ雨の粒が見え始めて、やがて夕日が戻ってきたところで、橋をわたったものの自分がどこにいるのかさっぱりわからない。やみくもに歩いていたら、携帯電話が鳴った。夫君の母だった。

「まりさん、どこにいるの?大丈夫だった?今、私図書館の前にいるんだけども、ここまで車で走って追い越さなかったから、ひょっとして迷ってるんじゃないかと思って。」

雨が降り出してから、おかあさんは慌てて車で私を回収しようと追いかけたらしい。どうやら、右の橋を渡らなければならなかったよう。傘があるものの、下半身ずぶぬれになりながら、よろよろと図書館にたどり着いた私を確認して、おかあさんは仕事の準備へと戻って行ったのだった。

そういうことがあったなぁと、買い物を終えて出入口まで来たら、あの時とほぼ同じような勢いで雨がどしゃどしゃ降っていた。ひょっとして、と、電話を見ると、おかあさんからの着信履歴があった。電話をかける。

「降ってるね。」出るなり、笑いをくつくつと堪えるように言った。 「降ってるね。」 「傘持って迎えにいこか?」 「うーん、様子見て、上がらないなら百均で買って帰るよ。」 「そーね、それがいいかもね。」

売り場に戻り、野菜のコーナーに行く。

レタスが安かったのだが、棚にもう数個しなびたのが残っているだけで、どうしようかな、と品定めしていたら、隣で同じように思案していたおばさんが、

「あんた、そっちよりこっちにしなせ。」

どん、と一玉差し出して来た。

「でもこれ、見かけ大きいけど中身はスカスカじゃない?」 「他のもみんなそうだから、これが一番マシ。」

おばさんは、野菜の神様のように断言する。と、青果の搬入口から店員の兄ちゃんがゴロゴロと野菜の箱を積んで出てきた。たぬきのような丸い体のおばさんはイタチのようにするり、と店員の前に立ちはだかり、

「あんた、これからまたレタス積むんでしょ。」

おばさんの迫力に、イエスと言わなければ身が危ないと感じた店員さんは

「あ、はい」

と、いそいそと返事をした。

「それじゃ、ひと周りしてまたあとで。」

と私に指令を出すと、おばさんは行ってしまった。 わたしは大人しく売り場をひと周りしてレタスを買い、百均で水玉模様の傘を買うと、じゃぶじゃぶ雨の中を帰った。

In 三条日記 Tags 三条, 日々
Comment
マイ・コメジアン
マイ・コメジアン

L'effet secondaire (副作用)

November 11, 2010

 なんにも言えね。

昨年、『好酸球性肺炎』という、一見アスリートがかかりそうな名前の病で入院してから2ヶ月に一回の検診を受けている。

なんらかのアレルゲンに対するなんらかのアレルギー反応で起こる肺炎で、私の場合、アレルゲンは多分アレだとわかっているもののはっきりと断言するのはアレらしい。なんか、あれだね、こう、あれだよね。

治療の関係で、今回は耳鼻科でCTを撮ることになり先日行ってきました。去年撮った時はただ白くでっかい輪の中に寝て入っていくだけだったのだけれど、今回は「造影剤を使います」と言う。バリウムのように飲むのかと思ったら腕から点滴で入れるというのだから、それだけで半歩後ずさり、そこに追い討ちをかけるように先生が隣の看護師さんと微妙に顔を見合わせ、

「肺炎の時は使わなかったんだっけね・・・うーん、稀にね、具合悪くする人もいるからね、肺炎ね・・・うーん」

と言いながら私に同意書を差し出す。いたずらに不安を煽るとしか思えないこの独り言が「医師による適切な説明があった」ことになるんでしょうか。まあ、いままで、その類で「具合が悪く」なったことはなかったので、持ち前のオプティミズムを発揮してサインをしてしまった。

細長いベッドに寝て、胸の前で手を交差するどことなく乙女チックなポーズでぐるぐる固定され、あんぐりと開いた白いドーナツに胸の辺りまで入って放射線をさんさんと浴びる。いよいよ点滴の登場。

私はとても細いペン先で書かれた文字とか細かい模様とかが比較的苦手で、なんかもうわーとなってしまうので、注射もあまり得意でない。しかも、それが自分の体内に入ったままという異物混入感にも軽く恐怖を感じる。覚せい剤とか絶対できないね。すでに心拍数があがっているところに、看護婦さんが「私がここについていますから、具合がわるくなったらおっしゃってくださいね」と励ますように言う。かんごふさんのこういうところをかんちがいしてかたおもいがはじまるのかしらん。

「それでは造影剤入れますね~」というスピーカーからの声が聞こえたとたん、体の内側がぶわわとあっついようなさむいような不思議な感覚にじわじわ犯されていく。なんか入ってる、血管に。「わわわわ、わ~」34年生きてきて己の身体に異物が入る経験はそれなりにあったけど、血管プレイは最悪よね。ヤバイ。発作が起こる前の気道が狭くなる予感がする。心臓がバクバクする。早くやっちまってくれ、や、もうわけがわからん、「窓から飛び降りるわ!」という美輪明宏の声がジァンジァン回る。

結局、撮影は中止せずになんとか終わったのですが、よくわからないダメージを受けてしまい、呆けたまま病院を出てそのまま夢遊病者のように図書館に行き、気がついたら「人間失格」を手にしていました。

昔付き合っていた人は、最初のデートでわたしを三鷹の禅林寺に連れて行き、これが森鴎外。森林太郎て書いてあるけど、とお墓に買ってきたおすしをお供えし、自分もむしゃむしゃ食べ、こっちが太宰の墓、とビールをお供えし、その前で黙って迎酒をした。普通の二十歳前後の乙女ならどん引きどころか確実に全力で逃げていたであろうどん底デートプランに脱帽というか脱力。普通の二十歳前後の乙女規格からはみ出ていたわたしは、当時劇団を辞める辞めないですっかり参っていて、うっかり着いて行ってしまった。合掌。

造影剤には、過去を陽炎のように映し出すという結構危険な副作用があったみたいです。

In Colo 活 Tags 文学, 日々, 音楽
2 Comments

LATEST POSTS

Featured
Mar 21, 2018
使える!フランス語辞書アプリ
Mar 21, 2018
Mar 21, 2018
Mar 19, 2018
使える!フランス語辞書 紙版
Mar 19, 2018
Mar 19, 2018
Mar 14, 2018
フランス語学習最強ツール:初級編
Mar 14, 2018
Mar 14, 2018
Mar 9, 2018
仏検の読解問題にどうしても必要な力 (4)
Mar 9, 2018
Mar 9, 2018
Nov 12, 2017
仏検の読解問題にどうしても必要な力(3)
Nov 12, 2017
Nov 12, 2017
Oct 24, 2017
仏検の読解問題にどうしても必要な力(2)
Oct 24, 2017
Oct 24, 2017
May 25, 2016
仏検の読解問題にどうしても必要な力(1)
May 25, 2016
May 25, 2016
Jan 21, 2014
岡本かの子の描くパリジャン的日本紳士
Jan 21, 2014
Jan 21, 2014
May 5, 2013
文法を学ぶということ(後編)
May 5, 2013
May 5, 2013
May 5, 2013
文法を学ぶということ(中編)
May 5, 2013
May 5, 2013
blog archive
  • March 2018 4
  • November 2017 1
  • October 2017 1
  • May 2016 1
  • January 2014 1
  • May 2013 3
  • March 2013 1
  • January 2013 2
  • December 2012 1
  • September 2012 3
  • August 2012 1
  • May 2012 1
  • April 2012 1
  • March 2012 2
  • February 2012 1
  • September 2011 2
  • August 2011 2
  • July 2011 3
  • June 2011 5
  • May 2011 3
  • March 2011 4
  • January 2011 3
  • December 2010 5
  • November 2010 6
  • September 2010 2
  • August 2010 3
  • July 2010 1
  • June 2010 1
  • April 2010 3
  • March 2010 3
  • February 2010 2
  • January 2010 5
  • December 2009 3
  • November 2009 6
  • October 2009 7
  • September 2009 6
  • July 2009 4
  • June 2009 1
  • May 2009 2
  • April 2009 2
  • March 2009 8
  • February 2009 1
  • December 2008 2
  • November 2008 6
  • October 2008 10
  • September 2008 5
  • August 2008 5
  • July 2008 8
  • June 2008 11
  • May 2008 17
  • April 2008 8
  • March 2008 10
  • February 2008 7
  • January 2008 17
  • December 2007 11
  • November 2007 8
  • September 2007 1
  • August 2007 2
  • July 2007 1
  • June 2007 8
  • May 2007 5
  • April 2007 12
  • March 2007 6
  • February 2007 2
  • January 2007 6
  • December 2006 2
  • November 2006 7
  • October 2006 14
  • September 2006 12
  • August 2006 3
  • July 2006 1
  • June 2006 7
  • May 2006 5
  • April 2006 6
  • March 2006 9
  • February 2006 12
  • January 2006 7
  • December 2005 6
  • November 2005 6
  • October 2005 1
Lesson archive
  • November 2019 1
  • September 2019 1
  • August 2019 1
  • July 2019 1
  • May 2019 1
  • April 2019 1
  • March 2019 1
  • January 2019 1
  • December 2018 1
  • November 2018 1
  • September 2018 1
  • August 2018 1
  • July 2018 1
  • June 2018 1
  • May 2018 1
  • March 2018 2
  • February 2018 1
  • December 2017 1
  • November 2017 2
  • October 2017 1
  • September 2017 1
  • August 2017 1
  • June 2017 2
  • April 2017 1
  • March 2017 2
  • February 2017 1
  • December 2016 1
  • November 2016 1
  • October 2016 1
  • September 2016 1
  • August 2016 1
  • July 2016 1
  • June 2016 1
  • May 2016 1
  • April 2016 1
  • March 2016 1
  • February 2016 1
  • January 2016 1
  • December 2015 1
  • November 2015 1
  • October 2015 1
  • September 2015 1
  • August 2015 1
  • July 2015 1
  • May 2015 2
  • April 2015 1
  • March 2015 1
  • February 2015 1
  • January 2015 2
  • December 2014 1
  • November 2014 1
  • October 2014 1
  • September 2014 1
  • August 2014 1
  • July 2014 1
  • June 2014 1
  • May 2014 2
  • April 2014 1
  • March 2014 1
  • February 2014 1
  • January 2014 1

Powered by Squarespace