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e-cor エコール フランス語コミュニケーション教室

新潟県新潟市・三条市のフランス語教室
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        日々是々 フランス語とわたしの冒険

        日々是々 フランス語とわたしの冒険

Trouville
Trouville

Communication française (つづき)

March 28, 2012

Trouville - Savignac.

パリに着いた翌日の夜、WILCOのコンサートに行くので、チケットを取りに、最寄りのFnacに行く。これは、例によってLesInrocksのライブ情報で発見して、Le Grand REXのサイトで予約したもの。 チケット発券や予約は2階の奥まった部屋にあって、眼鏡の可愛いお姉さんが担当してくれる。 ちょうどお昼時で、隣のドアから出て来た他の職員に 「Bon appétit !(ボナペティ、直訳すると「よい食欲を」食事前の挨拶)」 と声をかけていた。テーブルについていなくても、こうやって使うのだった・・・と、今更納得する。

Le Grand REXは、老舗の映画館兼ライブハウス。内装も、ひなびた感じのアトラクションみたいで面白い。 2階席は自由席だったので、開場ジャストに行ったら、まだガラガラだった。2階の一番前の席を陣取る。入り口で、「カメラは持ってない?大丈夫?」と、バッグの中身を申し訳程度に覗いた警備係は、水のペットボトルを取り出し、「このキャップはもらいます」と回収してしまった。何対策なんだろう・・・テロ?

WILCO
WILCO

時間が近づくと、みるみる席が埋まって行く。見回す限り、アジア人は我々二人だけ。一階は満席。 ライヴが始まって盛り上がって来た頃、一階の中央正面にカップルがつかつかとやって来て、通路のど真ん中に二人で立っている。男性が、女性の肩を抱き、「お前の為に、WILCOを呼んでやったんだぜ」と言わんばかりに、二人の世界に酔っている。しばらくすると、警備員がうんざりした感じで二人を追いやり、横のドアから追い出した。 WILCOのステージはとても素敵だったのだけれど、私達は暗くなるや否や瞼が重力に負け、朦朧としながら必死に聴く。同じような曲が多いバンドの上(実際、ヴォーカルのトゥイーディーがMCで「結構飽きるだろ?」と自虐的な笑いを取っていた)、時差ぼけが発揮されたらしくて、油断すると、首がもげる位の勢いで落ちてしまうので、慌ててリズムに乗っている振りをする。

気合い十分で来ながらも、最前列でがくがくと赤べこのような謎の動きをするアジア人二人組・・・滞在3日目位だったらもっとちゃんと楽しめたのかもしれない。

Zimmerman
Zimmerman

リベラシォン(新聞)の一面がボブ・ディランだったので買ったら、シテ・ドゥ・ラ・ミュズィック(音楽博物館)でボブ・ディラン展が始まるというニュースだったので、翌日、行くことに。パリでは、大抵メトロの壁のポスターか、新聞(リベのことが多い)で何かを見つけるから、あまりがっちり予定を組んで行かない。

ボブ・ディラン展ももちろん良かったのだけれど、音楽博物館がめっぽう面白かった。

シンセ01
シンセ01
DX7
DX7
シンセ02
シンセ02

歴史順に沢山の楽器が展示してあって、実際にそれぞれの音を聞きながらたどって現代までツアーすることができる。見たことのない形、バカでかい大きさ、バカバカしい装飾、まがまがしい装飾...の楽器が勢揃いしていて、最上階の近代コーナーでは、テルミンやら、宇宙怪獣を作る研究所にありそうなコンソール型のシンセサイザーやらが、ぞろぞろと並んでいた(このコーナーで夫君のテンションはうなぎ上りになった)。 うちにある、ヤマハのDX7が展示してあって、ちょっと見直した(掃除のとき、少々邪険にしていたのですが、大ヒットモデルなのです)。

ゴール地点には、何かしらの生演奏を聞くことができて、私達が行った日はドラムだった。多分、音楽院の生徒か若い先生と思われるお兄さんが、ラフな感じで説明しながら、スティックをブラシに変えたり、マレットにしたりして音色を変え、演奏してくれた。

  次の日は、パリを出て、TGVで2時間程のトゥルーヴィルTrouvilleという街に行く。ここは、私の好きなポスター画家、レイモン・サヴィニャックが亡くなるまで過ごした、海辺の小さな街。すぐ隣のドーヴィルはカジノで有名で、トゥルーヴィルも避暑地として、夏には観光客で溢れかえる。トゥルーヴィルの観光局の隣に小さなギャラリーがあって、ここに展示してあるサヴィニャックの作品を観るのが目的だったのだけれど・・・

「今日は休館です」

そ、そんな・・・。今はオフシーズンのため、人も少なく、別の美術館も4月まで休館とはわかっていたし、観光局のHPを見ても休館情報が出ていない(そもそも、その常設ギャラリーの情報も出ていなかった)のに。 仕方なく、びゅうびゅうと海風の吹く中を、町中に散らばっているサヴィニャックのポスターや壁画を探して歩く。

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ぶどうおじさん
ぶどうおじさん

あまりの寒さに、お昼になるとすぐ、有名なシーフードのお店に入って、久しぶりのムール・フリットを食べる。 隣にフランス人のファミリーが来て、私達の山盛りのムール貝を見たおばあちゃんが、 「あら、ムールおいしそうね」 とお嫁さんに言うが、眼鏡のお父さん(息子さん)が 「あれは、シーズン外だから小さくてだめ」 と却下する。いいんだい、日本にいるとこんなに沢山のムールなんて食べられないから、食べてるんだい、何にも知らない観光客めと思ってくれて結構、と心の中で言い訳をする。

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ここのお店は店内にサヴィニャックの様々なポスターが飾ってあるのだけれど、これが一番笑えた。

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ちなみに、このお店のポスターもサヴィニャックが描いたもので、食後のコーヒーに付いて来るチョコの包装用紙になっていて可愛かった。

向こうの席では、おじいちゃんとおばあちゃんの夫婦がテーブルに付き、おじいちゃんがウェーターを呼び、「あー、ワイン、赤の、なんだっけな」と、大声で注文をする。おじいちゃんは、その後、サルコジの悪口を始めて、おばあちゃんにたしなめられる。私達が店を出ると、外のテラス席で、タバコを吸いながらコーヒーを飲んでいた。しゃれている。この辺の裕福な夫婦なんだろう。

ギャラリーが観られないので、隣町のドーヴィルもいってみっかと、橋を渡って歩き出したが、帰りの電車を早められるかもしれないと、一度駅に戻ることに。窓口でまもなく出るパリ行きの電車を教えて貰ったところで、雨がまってましたと、ざんざか降り出した。2本ほど早い電車に乗って、パリに戻る。

時間が早かったので、予定を変更してポンピドゥーセンターで今日から始まったマティス展を見に行くことに。マティス展は、あまりたいしたことがなくて(3年位前に県立美術館でやった「マティスとルオー展」の方がよっぽどおもしろかった)、ついでに隣のダンスに関するエキスポジションも観る。一階の本屋さんがとても面白いので、じっくり眺めた後、一冊絵本を買おうとしてポケットの小銭入れがないことに気づいた。

私は、フランスにいる時には用心して札と小銭とカードは別々にして持っていて、小銭はポケットに入れているし、トゥルーヴィルでちょこちょこ使ったので5ユーロも入っていなかったのだけれど・・・スリにはあっていないので(さすがにコートのポケットに手を突っ込まれたらわかる)、レストランで上着を脱いで隣のシートに置いた時に落ちたのじゃないかと思う。今回の旅で、何かしらやってしまうと思っていたので、自分でそういう結果を作ってしまった。思い出のガマ口をなくして、茫然とする。(つづく)

In Cor 心 Tags WILCO, フランスでライヴ, フランス旅行, ボブ・ディラン, レイモン・サヴィニャック
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La Tour Eiffel
La Tour Eiffel

Communication française (フランス語コミュニケーション)

March 17, 2012

パリへ。「やっとこさ」という感じで新婚旅行に繰り出す。

と言っても、出発前の一週間は、新しい生徒さんが立て続けに体験に来られたりしてバタバタしており、夫君は会社で泣く子も黙る「新婚旅行」カードを切った為に、その埋め合わせで連日遅くまで仕事。なんとか行き帰りの航空券とホテルは取ったものの、その後の予定は機上で建てることに。こんなテンションでいいのだろうか。

フランス語ができて、パリも何度か行っているから心配ないねと、周りは口を揃えるのだけれど、私はスリに合うのではないかと、今までにない胸騒ぎのようなものがあった。大抵、初心者より慣れているひとの方がなんらかの痛い目に合うものだ。

 CDG空港に着いて、RER(郊外線)に乗る切符を買うのに自動販売機を使っていたら、早速「北駅まで行きたいんだけど、買い方教えてくんない?」と声をかけられる。背が高く、丸い頭に残る白髪もいよいよ寂しい、といった感じの眼鏡をかけたおじさんで、どうやらフランス人のよう。肩の大きなショルダーバッグが重くてピサの斜塔のように身体が斜めになっている。

毎度思うのだけれど、これだけうじゃうじゃ人がいるのに、なぜフランス人はやたらと私に道を聞いたり、時間を聞いたりするのだろう。

ところで、これはなにも私が特別教えたがりオーラを出しているからではなくて、フランスにいる外国人は結構な率でフランス人からものを尋ねられるらしい。語学学校にいた時に、イギリス人のクラスメイトがディスカッションの話題にした時には、東西問わず、様々な人種の学生達がみんな我も我もと体験談を披露した。平均的日本人感覚からすれば、どう考えても見かけ「ガイジン」な人に道案内を請おうという気にはならないのだけれど、フランス人はその辺(だけに関わらず、全てにおいて)かなり無頓着なのだ。

おじさんに自販機の画面を操作して買い方を教えたのだけれど、ますますパニック(フランス人のおっさんは機械に滅法弱いひとが多い)した彼は、「お金を渡すから代わりに買ってくれ」と言い出した。むとんちゃく・・・

画面の行き先には「パリ(市内)」という欄しかなくて(RERだとパリ市内はどこで降りても均一なので)「これですよ」と言っても「いや、僕は北駅までの切符が欲しいんだよ」とごねる。いやいや、これしかないんだよ、いや北駅が、と、押し問答の上、あまりにもわからずやなことを言うので、さすがの私もとうとう

「Ecoutez monsieur, vous allez au guichet, là ! (あのね、おじさん、窓口に行ってくださいよ、向こう!)」

と、切れてしまいまいました。三条暮らしで培ったにわかふやふや性格も、パリに降り立ち僅か10分で簡単にメッキが剥がれ、アグレッシブな本性を見事に露呈。フランス語にスイッチが入ると、3割増きつくなる気がする。言語学及び形而上学上、避けられないことなのかもしれない(無頓着な解釈)。後で夫君がにやにやしているのがわかる。

おじさんは、「あ、窓口あったの、あ、そ。なーんだ。ありがとね。」と、まるでへこたれた様子もなく、そそくさと窓口へ向かった。 フランス人はなぜ、わざわざ外国人にものを尋ねて、それなのにその言うことを信用しないのだろう。

 パリに着いたのは22:00過ぎ。ホテルはソルボンヌのすぐ裏手にあって、サン・ミッシェルとかオデオンの駅にわりと近くて動き易く、スーツケースを持って移動をする初日と最終日がとても楽だった(サン・ミッシェルからダイレクトでCDGまで行ける)。 今はコンビニみたいなモノップがあったりするので、結構遅くまで人が歩いている。フランスに来たのは4年ぶりになるのだけれど、あまり懐かしさが湧かない。つい、昨日までここにいたような、しごく当たり前のような気がして、不思議な気分になる。パリに住んでたら、また違ったのかもしれない。ナントに行きたくなった。

 翌朝、事前に決めていたように、おいしいと教えて貰ったパン屋さんを探しに行く。道案内は、職業柄、地図に強い夫君に放任。子どもの頃、父がパリに単身で住んでいたことがあって、私と母は夏休みに一ヶ月ほど彼の所に滞在した。朝、父と一緒によく近所にバゲットを買いに出かけた。その頃はまだパン屋さんのバゲットも1本が100円しない位の安さだった。帰り道、焼きたての香りに抗えずに少しずつちぎって食べ、結局家に着くと半分なくなっていることがほとんどだった。

フランスのパン屋さんでは、日本のようにトングで好きなものを持って行ってお金を払うなんてことを許してくれず、パンは、ひかえおろう、と言わんばかりにガラスケースの内側や、カウンターの後に整列している。客たちはカウンターに並んで順番を待ち、きびきび動く店員さんに「あれを1個、これを1個」と、注文する。つまり、必ず店員さんと話さないと買えないようになっている。しかも、食事時は店の外まで列ができているので、悩んでいる暇を与えてもらえない(驚く程みんなイラチである)。ちょっと躊躇すると、「あれはどう?これは?」とお勧めしてくれるのは良い方で、だいたいは飛ばされて後のお客さんに注文を聞き始める。あのスピード感は経験者でも戸惑う位だから、初心者は苦労するわな、と改めて思った。 エリック・カイザールのおばさんは非常におっかなかったけれど、ショソン・オ・ポム(リンゴのパイ)は本当においしかった。

 よく、外国人が「日本に来て一番びっくりしたことは?」と聞かれて「歩行者が横断歩道で赤信号だときちんと止まること」と答える。フランスでも、歩行者が赤信号で律儀に止まっていると「頭かお腹の具合でも悪いのか?」と思われてしまう位で、パリジャンは横断歩道があったら、信号ではなく、車が来る方を見る。車が近くまで来ている時は、運転手の呼吸を計る。この人は止まってくれるひとか、意地悪にスピードをあげるひとか、という見極めも大切。「通してね!渡るからね!轢かないでよね!轢くと色々面倒だからね、外国人だし!」という気のようなオーラのようなものを出して、車を止める。 ひとつひとつ、そういう摩擦がある国だった、と、初めて気が付いた。横断歩道ひとつ渡るにも、パンを1個買うにも、人と「コミュニケーション」しなければならない国。日本にいると、知らず知らず、どんどん人との接触を避けるようになっている、無菌室に追いやられているみたいに。コンビニの棚から好きなものを取って、黙ってお金を出せば、ものが買えるのだ。レジで、本気で「こんにちは」なんて挨拶しようものなら、あっという間に「変わった人」(もしくはナンパ目的)、下手をすると「要警戒人物」になってしまう。

旅行の前にラジオで聞いた「海外ニート」の話を思いだした。わざわざ海外に行って引きこもりになる日本人たち。そんなつもりなくても、無菌室からいきなりここにくれば、パリ症候群になるよな、そりゃ。人と関わるというのは、タフでなければできないのだもの。

しかし、パリの人は、あまりにも外国人だらけで嫌気がさしている人が多く、レジ係なんかはもう投げやりで口先だけの上辺コミュニケーションしか取らない人が多くなった。これじゃ、日本とそう変わらない。居心地が悪い。

私がフランス語を教えるとき、経験上、「さようなら」は「Au revoir」より「Bonne journée(よい一日を)」と言ってきたのだけれど、今のパリのお店ではそれが通用しなくて、「Merci, au revoir」ばかり使っていたのに気づいた。それだけ、やりとりが忙しなくて

「よい一日をね!(Bonne journée !) 」 「ありがとう、あなたもね!(Merci, à vous aussi !)」

という数秒の言葉さえもカットされてしまう。その僅かなあそびというか間のようなものの中にある人間らしさのようなものの首をばっさりギロチンで切り落として、コミュニケーションは空虚な音の羅列だけで意味のない、記号のおばけみたいになってしまった。奇形の生物を見ているみたい。やっぱり、居心地が悪い。 新学期、別れ際の挨拶は「Au revoir」ですよ、と教えるべきか(まあ、教えるけど)・・・。「よい一日を」と言える人になって欲しいしなぁ。Au revoirって、だいたいから発音が難しいんだ、初心者には。 (つづく)

In Cor 心 Tags フランス旅行, フランス語表現
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Le Mont St Michel
Le Mont St Michel

L'envers et l'endroit (裏と表)

November 4, 2010

 「場所」とは「おもて」のこと。フランス語で両方「endroit」。「ランヴェール エ ランドロワ」って軽く口(くち)スタシー。カミュの作品タイトルはそういうの多い。

ちょっと前、悪夢の連続記録更新。 一番狡猾で怖かった夢はあまりにも怖かったから方々で話したのだけれど、こちらがその恐怖たるやと、熱弁をふるえばふるうほど聞く方の興味は反比例するというのはよくあることで、事実、先日、マンガか一昔前のドラマのありがちなシーンのように叫んで飛び起きたナビ君の悪夢は、苦手な犬の吠え声(という設定、実際は別に嫌いでもない)のCDを拷問のように聞かされ続け、急に天空に連れて行かれて呼吸困難、同時に職場の同僚に肛門を責められる(具体的にどういう「責め」なのかは明らかにされず)というもので、悪いけどもうなんかしょーもな、という感想しか出てきませんでした。

それに比べると多少はましな気がする我が悪夢を、性懲りもなくここで披露しますと。

私は巨大ビルの1階にいて、目の前に丁度同時に上りのエレベーターが二つ到着する。AとB二つのうち、Bはなぜかトラップで、上っている途中で事故が起こるようになっている。それをなぜか私は知っている。 知っているからAに乗るんだけれど、Bに乗ろうとしている人達に「それはワナですよ」と伝えようかどうしようか迷っているうちに、Bは閉まってしまう。仕方なくAに乗る。ああどうしよ、どうしよ、と思いながらエレベーターは上がって上がって、地上何メートルというよりは、むしろ大気圏?なぜか周りが全て透けて見える。隣にBのエレベーターが上がってきている。

ここで、Bのトラップが発動されるわけです。ドリフばりに四方の壁が外側にぱたんと倒れて、床も抜ける。乗っている人達は阿鼻叫喚の形相でふっといエレベーターの綱につかまっているわけです。それを、こっちの安全Aの中で猛烈な罪悪感に苛まれながら見ていることしかできないずるいわたし。くるしい。

この間、ヨーガの代わりにキネシをやってもらった時、今一番欲しい物は?という問いに「安心」と答えた自分の声にびっくりした。今言ったの誰?あたし? 「まりちゃん不安なんだ、居場所がないんだね。」と、ずばり、私の悪夢なんたらかんたらエピソードを我慢強く聞いてくれたアロマレーヌの真木さんは言いました。居場所。ないです。

別に、意地悪されているとか、虐待にあっているとかそいういうんじゃなく、自分が勝手にそう感じてしまっているだけなんだけど、どうしようもない。今リアルに生活しているここは、自分の「居場所」じゃないって、はっきりわかる。

なんとなく落ち着かない、というのは前からどこにいても感じていた。引越しも多い。 東京に居た時は七年で3回。ナントでは5年で3回(うち、下宿先のおばはんと喧嘩して追い出されるというやむなき事情もあり)。・・・気づかなかった・・・「引越し魔」と言われても否定できんよ自分・・・。 だから、やー、しっくりくるわあって土地に出会った時、ものすごい嬉しかった。もう、あたい恋してるって位ぞっこん好きになった。テンションが上がるというよりもしっくりくる。落ち着くって、こういうことだったのか。初めて訪れた時、あれがあったんです。「デジャヴ」。既視感。フランス語。Déjà vu(デジャ・ヴュ)「既に見た」。小さい時に見た風景にどこか近いものがあっただけかもしれないけれど、親近感ってすてき。

場所ってそんなにこだわったりしなくて、ナントから帰ってきた時も別に新潟に落ち着くつもりもそんなになくて、なんだか自分が本当に生きているのか、そこにいるのか、常に5センチ位浮いているような気分だった。そんなだから、明確に「向いてる」所が自分にもあるということがすごく嬉しい。新しい家族ができたみたいで。

昔、しぶしぶモン・サンミシェルに行ったことがあって、あの修道院を作ったお坊さんの脳天に穴が開いたエピソードは好きだけれど、マレ(潮)も引いてカラカラしてて、当たり前に観光客だらけで、やっぱ来るんじゃなかったと足取り重く石畳の道を下っていた。そしたら、前の初老フランス人グループ中のおじさんがものすっごい大きいおならをした。もうそれは張り裂けたでしょうよという破裂音で、後ろにいた私まで吹き飛ばさんばかりの爆音だった。

そのあまりの破壊的な潔さに思考停止した私はおじさんをガン見してしまったら、羞恥心ゼロというより、むしろどや顔のおじさんと目があった。奥さん(と思われる)があわてて、もうやめてちょうだいよ、とたしなめるが、みんな笑ってしまった。周りの人みんなが笑っていた。おフランスのおっさんもやっぱりいい年になると腸の働きが落ちてやたらおなら自慢する人がいるし、その奥さんの止めっぷりもやっぱり万国共通なのかも、と温かくなった。

以来、「モン・サンミッシェル」という土地は世界遺産という「オモテ」の認識より、むしろ「おならのある風景」として私の中の珍百景に裏登録されてしまったのです。

In Cor 心 Tags フランス旅行
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